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     短歌・俳句・川柳

                       



             (2012年 2月号)

        
短 歌   
                         阪森郁代選
                                        

  
  
                 
祭り太鼓終りを告げる宵闇にひ孫七十億人目の産声上げし
                              
堺市中区 田中貞子

                                           
わたし流賀状書きあげチェックする添え書き多き悪き癖あり
                              堺市南区 郡 登志子

つくろ  は                        まっと          
繕うて穿いたり着たりする私ものの命を全うさせる
 
                            堺市南区  松川つぎ子
 
                                                     
寒き夜は熱き野菜を口にして作りし人の手の平思う
                              
富田林市  太田富美子 

                 かまきり                                     
霜月の庭に見つけし蟷螂のすがたを夕べ確かめにゆく
                              富田林市  福谷俊子


(評)
 一首目。昨年の十月三十一日、世界の人口がついに七十億人を突破。国連はこの日に生まれた赤ちゃん全員に「七十億人目」として認定、希望者には認定証まで発行すると発表しました。産声はまさにその当日。祭り太鼓がそろそろ静まるころ、対照的に元気な産声が響いたのです。シチュエーションがやや出来すぎているきらいはありますが、情況が的確に詠まれています。
二首目。「わたし流」にはいくらか自負のこころも垣間見えますが「添え書き」を作者はあえて悪い癖と言っています。むしろ受け取る側にとってはうれしいものですが。一首は軽妙なタッチで、気が利いています。


   俳 句

      
田中和子選



                      
枯蓮を風のかたちのままに活く
            大阪市 飯岡康子

       
          
空気すむ芒原に行きたいの
            
堺市南区 紙野嘉子

       
やはらかき日の移りゆく実千両

            高石市 間宮敏雄


口切の馴染みの客の揃ひゐて
            堺市西区 青山三枝子

                       
老人のしはぶき一つ枯蓮に
            堺市北区 黒木三栄子


凛然と梅一輪の自己主張
            堺市南区 澤井敏治

                          
ビートルズのみの茶房や小雪舞ふ
            堺市中区 池田ミチ子 

   川 柳

       
 荻野浩子選


      課題 「描く」 
           


中国の風まで匂う郁夫の絵

               堺市南区 立石雉枝子

     
都構想浪速の春を描いてみる
               堺市南区 山下結子

       
強そうな竜を描いて春を待つ

               堺市南区 平尾良子


一億の夢を描いた宝くじ
               堺市南区 西野栄子


池の面の紅葉に浄土描いている
               堺市南区 東 喜代子


孫描く爺の頭は毛が二本
          堺市南区 澤井敏治


(評)
  第一句。葉は枯れ尽くし茎ばかりになり、へし曲ったり折れ下がったりしている枯蓮。自然の中での枯蓮そのものを活けたいと思った作者の捉えた風を意識して、そのままに活けた。作品が目に浮かんでくる。
 第二句。ほうほうと風に吹かれている芒原。大気はひえびえと澄んでいる高原に行きたいという気持ちがよく現れている。俳句は心の中の景色を大きく広げられる詩です。大台ケ原でも行きましょうか。 

(評)
 一句目、平山郁夫のシルクロードの絵が見えてきます。風まで匂うの表現が句を引き締めています。
 二句目、橋下新市長が新しい大阪へ向けて、動きかけた。最大の関心事です。元気ある浪速の春を描いて欲しい。
 三句目、年賀状の季節がやってきました。災害にも強い竜を描いて、息災を祈る気持ちが出ています。
 四句目、宝くじの幟が師走の風にはためいて、客を呼んでいる。会社帰りや主婦たち、一億の夢を膨らませながら・・・。
 五句目、温暖化のせいか、紅葉の時期が短いように思った。それでも水面に散る紅葉は美しい。浄土とはぴったりの表現で心が洗われる。
 六句目、温かい家族の様子が伝わってきます。無心に描く子供の絵には嘘がありません。愛があります。

次の題は「部屋」。


五行歌

                 下濱和子

叶わないのが

きっと
叶えてみせるのも



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