みなみおおさか

    あなたとASAをつなぐふれあいコミュニケーション
 みなみおおさか通信
わが街・人

いつもの街の新しいもの、懐かしい風景、素敵な人たち。
素晴らしい出会いを、ここから。

2008年 12月号
      人の温もりと琥珀色の幸福を、もう1杯!


                  ゆい        やまそ                
     「文化喫茶・」店長の山岨光男さん (堺市南区新檜尾台)
上神谷(にわだに)生まれの山岨光男さん。
泉北ニュータウンへは新檜尾台の
まちびらきと同時に、
和子さんと2人の子どもの一家4人で
東大阪から転居


「“あれ”から変わったのはコーヒーが1杯280円になったことくらいです。何とか250円で頑張りたかったのですが、原材料の値上がりで仕方なく…」

 申し訳なさそうに話す山岨光男さん(62)は、桧本多加三さんの「お茶を飲みながらの歴史講座」でもおなじみの「文化喫茶・結」の店長。山岨さんが「あれから」と言うのは、今年3月、朝日新聞夕刊の記事「ああ夫婦ええ夫婦」に登場したことです。

 近畿通産局(現近畿経済産業局)を定年退職後、妻の和子さんの後押しもあり、退職金と貯金を注ぎ込んで開店したこと、店名は初孫の名前をそのままつけ、「人と人の結びつきの場にしたい」という思いを込めたこと、そして店内ではいつも絵や写真、工芸作品などの展示が行われ、桧本さんの歴史講座や笑福亭松枝さんらによる落語会「ゆいゆい寄席」など多彩なイベントが定期、不定期に開かれていること…。山岨さん夫妻が「街に元気を取り戻したい」と、新檜尾台近隣センターの一角に「結」をオープンした経緯やこの2年の歩みが、その記事の中に簡潔にまとめられていました。

 地域の人びとの間ですっかり有名になった店は、まさにいろんな人たちが出会い、交流するコミュニティ・カフェそのものです。無料でスペースを提供している展示会は、来年8月まで予定がぎっしり。月1回、火曜日の歴史講座は25回、落語会も11回を数え、40人ほどでいっぱいになる店内は毎回、ほぼ満員の盛況。この10月、近くの洋裁教室の作品を披露するファッションショーを開いたときには、店の外にまで人があふれました。

 もちろん、どんなに忙しくても1杯1杯ていねいにいれる、ハンドドリップにこだわった山岨さんのコーヒーを味わいにやってくる常連客も少なくありません。金曜日と日曜日、祝日が休みですが、「毎朝、私のコーヒーを飲むのを楽しみにしてくれている人もいますから、留守にするわけにもいかない。まとまった休日がとれないので、どこにも遊びに行けませんわ」と苦笑します。

 定年後の“第二の人生”に素晴らしい「居場所」をつくり出した山岨さんには、その体験を話してほしいという依頼も寄せられるようになりました。今年2月、中高年の自立や地域での交流に関するシンポジウムにパネラーとして出席したほか、古巣の近畿経済産業局が主催した、団塊世代や高齢者の起業に関するワークショップでは自身の起業体験を話しました。「やはり店舗付住宅を購入したことが大きかったですね。借りたものだったら、とてもコーヒー1杯280円ではやっていけません」

 ところで、いただいた名刺には「店長 山岨光男」の上に「オーナー 山岨和子」の名が。「私は雇われ店長なんですわ」と笑う店長にお礼を言って店の外へ出ると、オーナーが追いかけてきて「お構いできなくてすみません」と、ていねいにあいさつをしてくれました。

▼文化喫茶・結
営業時間/午前10時~午後6時 定休日/金・日・祝日
住所/堺市南区新檜尾台3-6-12 


お茶を飲みながらの歴史講座 ゆいゆい寄席

  
2008年 11月号
めくるめくメルヘンの季節がやってきた

キノコ採り名人・松井勝男さん (堺市南区茶山台)
「今年は自然薯もよく育っているようです」
と松井さん(自身の自然薯畑で)

「キノコ採りは危険ですが、とても知的なゲームです」

 こう言う松井勝男さん(63)は、知る人ぞ知る「キノコ採り名人」。自然薯をはじめとするさまざまな山菜を自然栽培する傍ら、とくにこの季節には毎日のように山へ入り、野生のキノコ採りを楽しんでいます。

「世界で最も美しいタマゴタケの群生。おいしいハタケシメジの列が林道の両側に延々と数百メートルにわたって続く景色。大量のマツタケが岩場の松林にサークルを描くように生えている光景…。みんな実際に私がこの目で見たもの。まるでメルヘンの世界です」

 会社を定年退職後、「残り3分の1の人生、頭と体を使って楽しもう」と、キノコ採りを本格的に始めた松井さん。名人が語るキノコ採りの“戦略”とは——。

①毒キノコをマスターする。日本に生育する4000~5000種の中で、致死的な毒キノコは10数種類。まず確実に毒のあるキノコを覚えることが先決。

②おいしく、よく採れるキノコ10~20種に的を絞って覚える。すべてのキノコを調べていたらキリがない。図鑑にある似たキノコを当てはめ、思い込みで間違うことが多い。
③キノコを覚えるときは「科」も覚える。おいしいキノコと毒キノコが同じ科に混在していることが間違うもと。

④図鑑は出版元の異なるもの3冊ほどを用意したい。同じキノコでも図鑑によって別物に見えることが多い。
枯れた木の根元に生えるクリタケは
とてもおいしいけれど、
猛毒のあるニガクリタケと
間違いやすいので注意

そして、キノコ採りでいちばん大事なのは、生える場所と時期を知ることだと、松井さんは言います。「どういう樹種(杉、松、広葉樹、あるいはそれらの混交林)で、尾根筋か沢筋か、それぞれにどういう種類のキノコがいつ生えるか。これらがわかってきたら、まだ行ったことのない場所でも、地図を見てどんなキノコが生えているかわかるようになります。そうするともうキノコ採りが楽しくて仕方がない。私は視力が0.1しかありませんが、目が弱ってからのほうがキノコをよく採れるようになりました。キノコを見つけるより前に場所を探すのがうまくなったからです」

 例年、名人が「キノコの日」と呼ぶ10月10日頃に一斉に生え出し、12月一杯までがキノコ採りの期間。今年は夏が暑く、9月に入ってコンスタントに雨が降ったせいで、近年稀に見る“豊作”だそうです。キノコ採りにチャレンジするには絶好の機会ですが、くれぐれも毒キノコにはご注意を。

▼松井さんのホームページ
http://www.jinenjoen.com

    
   
2008年 10月号
自然と文化遺産の街・河内長野へ、ようこそ

かわちながの観光ボランティアガイド倶楽部
会長の林さん、副会長の辻本さん、河田さん(下から)

 大阪府内では大阪市に次いで2番目に文化遺産が多く、府下最大の緑が残る自然豊かな街・河内長野市。そうした豊富な自然や歴史的・文化的資源を来訪者に案内し、市の魅力を伝えていこうと、2004年4月に発足したのが、「かわちながの観光ボランティアガイド倶楽部」です。

 世界遺産の高野山へと通じる高野街道、中世,南北朝期のロマンと観月亭から見る中秋の名月が有名な天野山金剛寺、楠木正成ゆかりの花の寺・観心寺、樹齢1000年のカエデの巨木が夕日に映える「夕照の楓」で名高い延命寺。これら河内長野の代表的観光ポイントを中心に、現在65人のボランティアガイドが活動しています。

 会長の林修さん(72)と副会長の河田博司さん(70)、辻本勝さん(66)はいずれも、発足前年の03年、市の商工観光課の呼びかけに応じて集まった1期生のメンバー。ガイドに使う資料などのマニュアルづくりからすべて、自分たちの手作業で行いました。案内地までの交通費や食費などの経費は、もちろん持ち出し。「定年後の第2の人生をボランティア活動に」という思いで参加した林さん。「別れ際に笑顔で『ありがとうございました』と言ってもらえるのがうれしい」と辻本さんが言えば、河田さんも「好きなことでお役に立てれば」とうなずきます。

 通常15〜20人に2〜3人のガイドが付き、最低催行人員は2人から。ガイド料は、参加者1人1コースにつき100円の運営協力費のみ。市内の観光案内所などにある専用の申込書に申込者名や希望の日時、コースなどを記入して、河内長野市役所商工観光課内の事務局(FAX.0721-55-1435)へ送るか、あるいは河内長野市観光協会のホームページ(http://www.kankou-kawachinagano.jp)を通しても申し込めます。

 紅葉のシーズンには見どころ・楽しみどころがいっぱい。秋の観光はぜひ河内長野へ——。

▼第18回天野山観月まつり
10月4日(土)午後3時〜8時
内容/お茶会(野点)、詩吟詩舞・剣武、和太鼓演奏、天野酒・地場産品販売、ライトアップ
場所/天野山金剛寺
入場料/無料(小雨決行・荒天中止)
問い合わせ/河内長野市観光協会事務局TEL.0721-53-1111


ボランティアガイドのみなさん(天野山金剛寺で) 第18回天野山観月まつり

  
2008年 9月号
“ボランティアの祖” 行基は堺が生んだ偉人

「堺行基の会」会長・吉田靖雄さん(堺市中区)
会長の吉田さん

 行基は、和泉国大鳥郡(現在の堺市)に生まれ、関西を中心に仏教の普及、治水、架橋などに力をつくした奈良時代の僧です。

当初は民衆を煽動するとして弾圧を受けましたが、その社会文化事業への貢献が認められ、後には日本で最初の大僧正の地位を贈られました。

生家跡が家原寺となっているのをはじめ、南大阪に行基が開いたとされる寺院は数多く、岸和田市の久米田池、大阪狭山市の狭山池は、掘削指導をした灌漑用の貯水池として知られています。

 ボランティア活動の祖といっていい行基の業績を顕彰しようと、1994年、市民に呼びかけて「堺行基の会」が発足しました。主な活動は、年3回行う学習会(2時間)と年2回、行基ゆかりの史跡を中心に1日かけて4〜5カ所をまわる史跡めぐり。

「発足当初は160人いた会員が、今は高齢化が進んで100人ほどになりました。人気のある史跡めぐりにも、『膝が痛くていけない』などという人が増えていまして…」と苦笑するのは、発足時に副会長を務め、初代の井上薫会長(大阪大学名誉教授)の後を継いで、現在、2代目会長として会を主導している吉田靖雄さん(大阪教育大学名誉教授)。

「堺の生んだ偉大な人物として、千利休や与謝野晶子に比べ、行基はいささか影が薄いのが残念。行基の活動は、ある種の生活向上運動。歴史上に影響を受けた人は多く、功績は現代にも生きています。嘘をつかない、盗まない、他人を傷つけない…倫理を守って生活しながら、知恵をつくして豊かな生活を築いていく。こんな時代だからこそ、行基の考え方や生き方を見つめ直すことが大事なのではないでしょうか」

 関心のある方は、ぜひ一度ご連絡を。

▼「堺行基の会」年会費3,000円。

◎堺市民芸術祭参加講演会「行基さんと堺・泉州」
  日時/9月28日(日)午後2時〜4時(1時30分受付開始)
  講師/宮城洋一郎(副会長・皇學館大学教授)「忍性の社会的実践——行基の後継者」
     森明彦(関西福祉科学大学教授)「行基と神祇」
     吉田靖雄「行基と鶴田池・久米田池の建設」
  参加費/500円(資料代)
  会場/堺市民会館小ホール
     南海高野線「堺東」駅徒歩10分

昨年11月、史跡めぐりで有馬温泉寺へ

   
2008年 8月号
元気と感動の輪を堺から

「第1回SOIYA・SAKAI」を企画した              
「堺太鼓みくに」代表・筧純子さん
(堺市堺区)
「和太鼓を親子のコミュニケーションに」と筧さん。
長女の理沙(りさ)ちゃん(中2)、
次女の彩希(さき)ちゃん(小2)も、
もちろんメンバー

 もののはじまり みな堺 この町名物 刃物に包丁 自転車 和菓子 大魚夜市…

「SOIYA(そいや) SAKAI(さかい)」の歌い出しの歌詞です。今年3月1日、堺市民会館大ホールで「第1回SOIYA・SAKAI」と題したイベントが行われました。和太鼓や三味線、尺八といった日本伝統の和楽器の組み合わせや、エレキギターにマリンバ、ピアノをコラボレートするなど、演奏と歌、踊りで展開するパワフルなパフォーマンス・ステージ。堺市内外から6組の団体が出演、各組がそれぞれ独自の表現方法で演奏したのが、テーマ曲の「SOIYA SAKAI」です。

 「ほぼ満員のお客さんがフィナーレまでそのまま。ただの1人も途中で帰る人がいなかったんです。もう言葉にならないくらいうれしくて…」

 いまだ感激がさめやらない面持ちで、そう振り返るのは筧純子さん。イベントに出演したチームの1つ「堺太鼓みくに」の代表ですが、この「第1回SOIYA・SAKAI」を企画し、ゼロからつくりあげたのが、実行委員長を務めた筧さんです。
       
 4年前、子どもに「何か習い事を」と思い、楽譜が読めなくてもできる、やっている人があまりいない、そして何より元気になれると、和太鼓に着目。堺市内で教えてくれるところを探しても見つからなかったことから、「じゃあ自分でつくろう」と、「堺太鼓みくに」を結成しました。

 子供会の仲間などに声をかけ、最初は10人ほどでスタート。今は下は4歳から上は60代まで、30人がメンバーに。毎週火曜日の午後5時30分〜8時、三国丘小学校体育館で練習。老人ホームの慰問のほか、地元のさまざまなイベントにも積極的に参加していて、昨年は1年間で約30回のステージをこなしました。「普通の主婦がステージに立って、聴いていただいたみなさんから『元気が出たよ』と言ってもらえるんです!」と、目を輝かせる筧さん。

 「SOIYA・SAKAI」開催への取り組みは、一昨年、堺市の政令指定都市移行記念行事を企画するスタッフとして、「そや堺ええ街つくり隊」の福永恵一さんと出会ったことが発端でした。このイベントに和太鼓をはじめとする多彩なパフォーマンスチームが参加したことで、筧さんと福永さんは「堺市ならではの新しいコラボレーションイベントができるのでは」と考えたのです。仲間集めに始まり、イベントの内容も一から考えていきました。テーマ曲「SOIYA SAKAI」をつくり、協賛金集めには筧さん自身が奔走する日々が続きました。

 1回目が大成功を収めた今、すでに来年の同じ3月1日、第2回の開催に向けて実行委員会の活動が始まっています。「“SAKAIステージを目指せ”を合言葉に、毎年、全国から多くの人が集まってくるような、堺の代表的なイベントにしていきたい」。1人の女性の熱意が、堺に新しい名物を生み出しました。


バチさばきもパワフルな「堺太鼓みくに」(左端が筧さん) 「第1回SOIYA・SAKAI」のフィナーレ

  
2008年 7月号
野鳥と身近な自然とのふれあいを
「泉北野鳥の会」会長の炭田仙二さん(堺市中区)
“どんぐり帽子”がトレードマークの炭田さん

「野生の鳥を見ていると心が休まります。第一級の癒しですわ」

 愛用の望遠鏡を手に、こう話すのは「泉北野鳥の会」の会長、炭田仙二さん(70)。炭田さんと鳥との出合いは、40年以上前にさかのぼります。勤めていた会社が奈良の小さな村に工場をつくることになり、炭田さんが技師長として単身で赴任。最初は廃校になっていた学校の板張りの校舎をそのまま使い、1階に工場、2階を宿舎に利用していました。

「春になると、毎朝、寝ている部屋の扉を叩く音がするんです。何やと思ったら、これがキツツキ…。ある日窓を開けたまま仕事に出ると、中にアオゲラが入り込んでいました。さっそくつかまえて飼い始めたんです。何しろ田舎でまわりには何もありません。鳥だけが安らぎでした」

 そんな生活が10年ほど続く間にすっかり鳥に魅せられた炭田さんは、堺に帰ってきて「日本野鳥の会」に入会。その縁で、1981年に発足していた泉北野鳥の会から「手伝ってほしい」と頼まれ、85年頃から会長を務めることになったのです。

 現在、泉北野鳥の会の会員は約170人。小学校2、3年生の子どもとその保護者から、上は一気にとんで50〜60代の中高年。最近は定年退職時期を迎えた団塊の世代の人たちが増えてきているそうです。活動は月平均2回、日帰りで行く探鳥会が主体。大泉緑地、大仙公園、狭山池など、季節ごとに鳥の飛来する場所を選んで出かけます。木彫りで鳥のブローチを作るバードカービング教室やカメラ教室を開くほか、ゴミ拾いを兼ねた清掃活動、年1回、愛鳥週間の頃には、会員が撮影した鳥の写真を披露する野鳥展も開催。また、活動の予定や報告を載せた機関紙「つばくろ」を年4回発行しています。

 バードウォッチングと並んで人気なのが、星空を見に行くスターウォッチング。会員の中に星を見たいという人が多くなって始めた観察会では、ここ10年ほどで近畿一円の主要な天文台はすべて回りました。「野鳥も星も自然の1つ。夜空に輝く星にはロマンがあります。みんな小さい頃は天文少年でしたからねぇ」と炭田さん。

 今後の活動予定は——。7月20日(日)にツバメのねぐら観察会を行います。午後5時30分、泉北高速・光明池駅改札前に集合し、鳳行きバスで信太山へ。夕暮れとともにどこからともなく集まってくる数千羽のツバメの群れは壮観です。参加費は会員無料、会員外は保険料として100円。

 8月3日(日)には、琵琶湖の東にある伊吹山へ登るバスツアーを開催。山頂付近に色とりどりの高山植物が咲く伊吹山は、イヌワシの生息地としても知られています。募集人数は40人(定員になり次第締め切り)。午前6時50分、南海本線三国ケ丘駅北改札口集合。参加費は会員6,500円、会員外6,700円(弁当・お茶付)。

探鳥会の様子(大阪・南港野鳥園) カワセミ(炭田さん撮影)
▼泉北野鳥の会
年会費/一般会員2,000円、青少年1,000円、家族会員500円
 http://www5e.biglobe.ne.jp/~senboku/


   
2008年 6月号
青春の熱いたぎりをサウンドに乗せて
「SAKAIベンチャーズ」(堺市)
西尾元秀さん、小松さん、上田さん、西尾信次さん(左から)

 「日本の歌百選」には入っていませんが、この独特のサウンドを聴くだけで、青春の日の思い出が蘇るという方は少なくないでしょう。
ザ・ベンチャーズ。
日本ではビートルズと並んで音楽シーンに影響を与えた、アメリカのエレキバンド。“テケテケ”と呼ばれるギター奏法で、1960年代後半から日本に一大エレキ・ブームを巻き起こしました。

 そんなベンチャーズサウンドに魅せられた、自称“おっさんバンド”が堺で活躍しています。その名も「SAKAIベンチャーズ」。メンバーは、リーダーでドラム担当の小松茂さん(57)をはじめ、リードギターの上田光一さん(58)、サイドギターの西尾信次さん(58)、ベースギターの西尾元秀さん(34)の4人。西尾信次さんと元秀さんは親子です。

 そもそもは小松さんが高校を卒業したばかりの頃、中学の1年先輩になる上田さんらのバンドに加わったのが始まり。その後、上田さんが仕事の関係で岐阜県に引っ越したり、メンバーが足りなくなって、小松さんとお互いの奥さん同士が姉妹という西尾さんが新しく入ったりしながら、「SAKAIベンチャーズ」として活動を始めたのが6年前です。

 最初からベンチャーズのコピーひと筋。「最低限4人でいけるし、リードギターだけでなく、曲によってサイドギターもベースもドラムも、各自のテクニックが発揮できるのが、ベンチャーズのいいところ。それに、何より青春の血をたぎらせたバンドですからね」と小松さん。

 エレキバンドだから、心配なのは演奏の音。昔は練習場所を探すのに苦労しましたが、7年前から、小松さんが管理を任されている耐火レンガの倉庫に落ち着きました。今は愛知県に住む上田さんが参加できる日を選んで練習し、年5〜6回、堺市内や大阪、神戸で行われるイベントに参加しています。最も近く演奏が聴けるのは、5月31日(土)、6月1日(日)に行われる第3回堺国際ツーデーマーチ。中央会場の大仙公園催し広場で生演奏を披露する予定です(31日のみ)。

 レパートリーは110曲。「文字通り、音を楽しむために始めて、テクニックはないし、歳を取ってパワーもなくなってきました。でも、この歳でしか出せない音はあると思うし、最終的には僕ら自身が楽しんだら、聴いているお客さんも楽しんでくれるはず」と小松さんが言えば、西尾さんは「仕事を離れたときの一番の楽しみ。家族もみんな応援してくれていますし、お客さんの『よかったよ』のひと言で仕事の疲れも吹っ飛びます」。

「クルーエル・シー」「パイプライン」「朝日の当たる家」…。取材後に演奏してくれた珠玉のベンチャーズ・メドレーに、同世代の筆者も青春時代の熱い思いが蘇りました。

昨年5月、KOBEメリケンフェスタで

  
2008年 5月号
癒しの音色が風に乗って
ボランティア音楽グループ「びばる〜ん」(堺市南区)

「北の国から」「島唄」「コンドルは飛んで行く」…。土笛のオカリナが奏でる優しいメロディーに、鉄琴のような音色のカリンバ(左右の親指で弾くアフリカの楽器)が重なり、チェロが深みのある豊かな音色を響かせ、ジェンベ(アフリカの片面太鼓)が素朴なリズムを刻む。よく知っている曲が、独特の癒しの音楽となって流れてきます。

 女性と男性2人ずつの音楽ユニット「びばる〜ん」。メンバーはカリンバを弾く代表の井谷清子さん、オカリナの高橋公世さん、チェロの堀内徹三さん、そしてパーカッションを担当する浅野昭二さん。結成のきっかけは、井谷さんと高橋さんが「子育てを終えた50代からの挑戦」に、ボランティアをしたいと考えたことから。泉北ニュータウンの竹城台で活動する「はっぴぃえんど音楽隊」にいた2人が「ボランティアをするのには、もっと小回りの利く小さなグループのほうがいい」と、2004年2月にスタートしました。
堀内さん、井谷さん、高橋さん、浅野さん(左から)

 2人とも本格的な音楽の経験はなく、それぞれの楽器演奏も習い始めたばかり。それでも結成してすぐ障害者の施設に呼ばれてボランティアで演奏しました。さらに男性2人が加わり音楽性のレベルが上がってからは、老人施設や病院、小学校など、演奏依頼が口コミでどんどん広がっていきました。今は春と秋の大阪府立花の文化園フラワーコンサート、年1回、5月に行われる帝塚山音楽祭の帝塚山病院ロビーコンサートなどの演奏会のほか、月2〜3回、定期的に福祉施設などを訪問しています。

 2006年8月、初めてのCD「風に乗ってⅠ」を自主制作。今年1月には、第2弾の「風に乗ってⅡ」が完成しました。販売の収益金はグループの活動費に充てるほか、堺市の社会福祉協議会などに寄付しています。
「親指ピアノ」とも呼ばれるカリンバ

「指導してもらっているシンガーソングライターの山本天馬さん、チャリティコンサートを主催していただいた墨彩書画の大家・斉藤皋石(こうせき)先生、ボランティアの素晴らしさを教わったエプロンシアターの河野邦子さん、音楽を始めるきっかけになった『はっぴぃえんど音楽隊』、それにもちろん未熟な私たちを育ててくれた地域の人たち、感謝しないといけない人たちがたくさんいます」

「人生の後半、ボランティアのお陰でこんなに幸せをもらうなんて思いもしませんでした。この活動が私たちのライフワークになれるよう、いつまでも続けて行きたいと思っています。今は夢中で音楽の楽しさを味わっています」
 そう言って、4人は目を輝かせました。


▼「びばる〜ん」の今後の主な演奏予定は、5月3日(祝・土)花の文化園フラワーコンサート(午前11時30分、午後2時)、5月11日(日)小谷城郷土館(午後2時〜3時)、5月25日(日)帝塚山病院ロビーコンサート(午後2時〜3時)、6月13日(金)堺市役所VIEW21コンサート(午後12時10分〜12時40分)、7月19日(土)いずみ健老大学(泉ケ丘センタービル3階、午後1時〜2時)、8月24日(日)ファインプラザきねづか20周年(時間未定)、9月6日(土)久保惣美術館ミュージアムコンサート(午後1時)、10月12日(日)堺自然ふれあいの森コンサート(午後1時30分~2時10分)。なお、CD(1枚1,000円)などのお問い合わせは、 mio編集室まで。
花の文化園フラワーコンサート





















  
2008年 4月号
楽しく歌えば元気で若く!
開設10周年を迎えた「堺金岡童謡愛唱会」(堺市北区)
「みんな若々しい声でしょう」という前田さん

 堺市北区・金岡公民館2階の集会室。階段を上る途中から、ピアノの伴奏に合わせて伸びやかな歌声が聞こえてきました。堺金岡童謡愛唱会。毎週木曜日午前中、100人を超える人たちが集まって、童謡、唱歌、わらべ唄、抒情歌謡などを気持ちよく歌っています。

「合唱団ではありませんので、とにかく気軽に気持ちよく歌えればいいんです」と言うのは、主宰する前田いそじさん。小学校の教師だった前田さんが「昔からの童謡・唱歌を大人から子ども、孫へ引き継ごう」と呼びかけて発足、1998年6月11日に約40人が参加して第1回の集いを持ったのがスタートです。会員はこれまで最多で128人、現在も113人を数えます。年齢制限も男女の別もなく、最高齢では82歳の人も元気に歌っているそうです。

 今年は会の発足からちょうど10年。4月29日(祝・火)に、10周年記念の「童謡フェスティバル in 堺〜明るい歌声をそよ風にのせて〜」を開きます。「来場者参加イベント」とあるように、コンサートや発表会の類いとは違い、歌集を配って来場者と会員が一緒になって楽しく歌おうというのが主旨。当日は伴奏に、前田さんと柳井康子さんのピアノに加えて、「アンサンブル泉」も特別出演。全40曲を歌う予定にしています。

桑田さん、平野さん、小栗さん(左から)

 スタート時からのメンバーで、開設10周年記念行事実行委員会の委員長を務める平野進さんは「小さい頃にラジオで聴いていた中に好きな歌があったのですが、その後ずっと聴く機会がなかった。この会に入って何十年ぶりかでその歌に出会い、感動しました」と話します。実行委員会副委員長で、発足当初の世話人を務めた桑田映子さん、小栗みどりさんの2人も、歌うことの楽しさを語ってくれました。

「貧しかったけれど心は豊かだった昔、母が歌ってくれたことを懐かしく思い出します。歌うたびにその頃に帰って、若返ります」(桑田さん)

「コーラスならみんなについていかないといけないというプレッシャーがあったりしますが、ここは気楽ですよ。健康にもいいし、歌が友だち関係をつくってくれます」(小栗さん)

「10年続けてこられたのは、何より世話人たちが頑張ってくれているおかげです」と前田さん。

 懐かしい童謡、唱歌などを思いきり大きな声で歌ってみたい、そしてちょっぴり若返ってみたいと思われる方は、ぜひ「童謡フェスティバル」にご参加を。

◎童謡フェスティバル in 堺〜明るい歌声をそよ風にのせて〜
4月29日(祝・火)午後12時30分開場、1時開会
場所/じばしん南大阪(イベントホール)
 地下鉄・南海高野線「中百舌鳥」駅徒歩5分
入場料/無料(歌集・茶菓付)

▼「堺金岡童謡愛唱会」入会・見学希望の方は毎週木曜日、午前9時45分〜11時45分、堺市立金岡公民館集会室へ。

みなさん気持ちよさそうに歌っています

  
2008年 3月号
堺で初めて芸術祭で受賞の快挙
「野間バレエ団」((堺市北区新金岡町)
団長(学園長)の野間康子さん

昨年11月4日、堺市民会館大ホール。カーテンコールにおくられた客席からの拍手は大きく強く、いつまでも鳴り止みませんでした。
 堺市に拠点を置く野間バレエ団の第16回定期公演。作品の「ドン・キホーテ」は第62回文化庁芸術祭の優秀賞を受賞。堺市内の団体が芸術祭で賞を受けるのは初めてのことでした。
 けれど、ステージが喝采に包まれたのは、公演の素晴らしさだけが理由ではありません。野間バレエ団は、2006年8月に理事長の野間亨さんが68歳で死去。今回の公演は、その追悼公演として行われたものだったのです。
 亨さんの妻で、団長(学園長)の野間康子さんは言います。
「芸術祭に参加していることも忘れるほど、ダンサーやスタッフのみんなの『理事長のために』という気持ちが熱く、過去にないまとまりでした。それが舞台の成功にもつながったのだと思います」
 野間バレエ団は67年、康子さんが住まいの近く(新金岡町2丁)でスタートしたバレエスクールが始まり。91年に長女の彩さん、翌92年に次女の景さんと連続して全国舞踊コンクールで第1位に輝いたのをきっかけに、バレエ団を結成しました。
 亨さんはもともと会社勤めをしていましたが、92年にスクールを法人化し、代表取締役として経営全般をみるとともに、理事長としてバレエ団の経営・企画にあたり、毎年の定期公演をプロデュースしてきました。「長くバレエをしていてもバレエを職として一人立ちができない状況を改革したい、バレエを愛する人たちが仕事としてバレエを続けていけるようにしてあげたいと、主人は情熱のすべてを注いでくれました」と康子さん。
 追悼公演では主役のキトリを演じた副団長の景さんは、「堺に密着した活動を大事にしていた父の言葉は『まず堺を愛しなさい』でした。定期公演も必ず堺で開くことに決めていました」。公演を見た評論家も「地域のファンがこれだけいるのがすごい。他ではこんな熱い拍手はない。舞台と観客が一体化している」と絶賛したそうです。
 団員は現在16人。スクールは、大阪に新金岡の本部校のほか、光明池の泉北サンピア校、天王寺のアベノ校、和泉府中の和泉府中サティ校、東京・渋谷にも東京校があり、チケット制の大人の趣味のためのクラス(オープンクラス)と3歳から入学できる一般クラスとがあり、大阪校と東京校を合わせて約1000人の生徒が在籍しています。
 これからの目標を聞くと、振り付けなどのクリエイティブ面を担いつつ、今も現役で生徒たちを教える康子さんが、キッパリとこう語りました。
「高い目標を持ってそこへ行くことをめざすより、きょうを最大限頑張って、それを明日につなげていきたい。着実に基本をしっかり、目の前の団員、生徒を全力投球で指導していきたいと思っています。バレエを愛してくれた主人のためにも——」。

▼野間バレエスクール(本部)は堺市北区新金岡町5-6-423、TEL.072-255-7880。随時入学可(オープンクラスは女性のみ)。今年の予定は7月21日(月・祝)発表会、11月9日(日)定期公演、いずれも堺市民会館大ホール。スクールの受講料などはホームページでご確認ください。
http://www.noma-ballet.com
追悼公演「ドン・キホーテ」の一場面(中央右の女性が野間景さん)
スクールには小さな子どもたちもいっぱい

  
2008年 2月号
明るく元気に、燃えろスマイル!
女子ポートボールチーム
「茶山台スマイル」(堺市南区茶山台)

「スポーツを楽しむことが第一」という市村監督
指導するコーチ陣
(左から、髙橋由美子さん、玉置明美さん、北岸小百合さん)

「パス回して!」「ハイ!」「シュート!」
 堺市南区の茶山台小学校体育館。ボールの弾む音に混じって、元気な子どもたちの声が響いています。同小学校に通う3〜6年生の女子児童17人をメンバーに活動しているポートボールチーム「茶山台スマイル」。

 ポートボールはバスケットボールに似た球技ですが、1チーム7人制。バスケットとの違いは、ゴールの代わりにゴールマンが台の上に立って、シュートしたボールを手で捕り、その下にゴールを阻止する役割のガードマンがいること。コート内のプレーヤーは5人で、パスとドリブルでボールを運び、1ゴールで2得点が与えられることなど、他のルールはバスケットとほとんど変わりません。

 堺市内の子供会活動の中で、女子の公式スポーツとして行われており(男子はソフトボール)、市内7区のブロックに分かれ、現在、全体で150を超えるチームがあります。茶山台スマイルは、所属する南区はもちろん、堺市内でも屈指の強豪チーム。とくに昨年は、1月に行われるブロックの新人大会から始まり、12月9日の西陶器杯まで、市の中央大会を含めて連戦連勝。南区の夏の大会などは、2004年から4連覇を続けています。

 バスケット経験者の市村剛さんが監督に就任したのが9年前。「楽しみながら勝敗にもこだわって結果を出す喜びを感じてほしい」と“熱血指導”、明るく熱心なコーチ陣の協力もあり、子どもたちがより前向きになって結果も出てくるようになったといいます。

 目標は「堺市内で全試合完全優勝」。キャプテンの中筋碧(あおい)さん(6年)も「試合に勝つために一生懸命練習しています」と力強く話してくれました。

 今年もいろんな大会で子どもたちの勝利の“スマイル”が見られそうです。


取材日に集まってくれた子どもたち
(後列左から2人目が中筋キャプテン)
ゲーム形式の練習はとくに楽しそう
昨年9月16日「庭代杯」で2連覇達成!


2008年 1月号
古い町家を改造して展示&休憩所「鳳翔館」を開館
柏木 作さん(阪南市)
火縄銃を手にする柏木さん
開館のきっかけになった
与謝野晶子直筆の短冊

 阪堺線綾ノ町駅の近く、堺市堺区錦之町に「鳳翔館」はあります。大正期から続く町家をそのまま使った“展示館”は、周辺の観光に訪れた人が立ち寄って、ひと休みすることもできます。入館料が不要なら、振る舞ってくれるお茶とお茶菓子も無料!

 「私の趣味でやっているものですから、どこまで無料で頑張れるかわかりませんが…」というのは、ボランティアで館を運営する柏木作さん(53)。現在は、阪南市でビルや鉄骨造の建物の改修工事を行う会社を経営していますが、もともと堺市内の浅香山で生まれ育ち、5年前まで堺市民。「古い家が建て替えられて消えていくのがさびしい」という思いから、古い町家を借り受け、「鳳翔館」をオープンしました。

 1階には、柏木さんが堺火縄銃保存会のメンバーということから収集した2丁の火縄銃や、元禄年間の堺の古地図の複製(30畳の大きさがある原本は堺市が所蔵)などを展示。火縄銃は今も実際に撃つことができるものです。

 2階は座敷。江戸時代に上層階級の商人などの間に普及した綿入れの「夜着」を復元したものなどが置かれ、廊下の吹き抜けから下を覗くと、昔のかまどの雰囲気が残されているのを見ることができます。

 1、2階のあちこちに飾られているのが、与謝野晶子の歌。とくに、2階にある「こころにも柏の枝のひろがりて春をよろこぶ一人となりぬ」と書かれた短冊は、晶子直筆のもの。以前から晶子には関心があった柏木さんですが、京都のギャラリーで偶然この短冊を見つけて購入したことが、「鳳翔館」を開くきっかけの1つに。どうせ町家を残すのなら、何かテーマがあったほうがいいということで、現存しない晶子の実家をイメージしました。短冊の歌にある“柏”に「縁があったんですかね」と笑います。

 開館は不定期。「なにぶん家族の手だけでやっていますので。土日はなるべく開けて、堺観光の休憩所、近隣のみなさんの交流の場として使っていただければ」と言う柏木さん。運営は大変ですが、できるだけこのままで続けていってほしいものです。


昔のたたずまいがそのまま 2階の座敷でも休憩できます

▼鳳翔館
堺市堺区錦之町西1-2-17 
公開時間/午前10時〜午後6時