みなみおおさか

    あなたとASAをつなぐふれあいコミュニケーション
 みなみおおさか通信
わが街・人

いつもの街の新しいもの、懐かしい風景、素敵な人たち。
素晴らしい出会いを、ここから。


2012年 4月号

千の夢きらめく「堺星空館」誕生

ソフィア・堺プラネタリウムリニューアルオープン(堺市中区)

 堺市教育文化センター(ソフィア・堺)プラネタリウムが、投影機器などを一新、その名も「“千の夢きらめく”堺星空館」として生まれ変わりました。

 平成6年7月のオープン後、初めてとなる今回のリニューアルでは、関西初の統合型プラネタリウム「ジェミニスターⅢ」を導入。スクリーンに映し出す星の基礎となる恒星原板を更新することにより、投影できる星の数が従来の約2万3000個から約36万5000個へ、15倍以上も増え、これまでおぼろげにしか見えなかった天の川も、1つひとつの星として投影。地球上で観測できる最も美しい空をリアルに再現できるようになりました。

 より臨場感あふれる宇宙の姿を体感させてくれるのは、全天周デジタル映像投影システム「スーパーメディアグローブⅡ」。継ぎ目のない高精細映像がドーム全天周に映し出され、美しい星空と多彩なコンピューターグラフィックス(CG)の統合演出により、あたかも宇宙空間に飛び込むような迫力です。しかも、星と星の間の距離などを正確に再現、目の前に広がる映像はイメージではない本当の宇宙空間のシミュレーションです。

 ゲームコントローラーのスティックを動かし、宇宙船のように操縦しながら、惑星に近づいたり、着陸したり。まるで宇宙旅行に出かけているかのような気分も味わえます。

 今回のリニューアルの大きなポイントがもう1つ。障がい者の利用に配慮したユニバーサルデザインの採用です。まず、車いす利用者のために、見やすい上階フロアの左右2カ所に専用スペースを設け、階段の上り下りに不便がないよう、電動式可搬型階段昇降機を導入しました。

 ヘッドホンや補聴器につないで使うこともできる赤外線補聴システム「アシストホーン」は、聴覚障がい者だけでなく、視覚に障がいのある人もチャンネルを切り替えることで投影中の映像を説明するアナウンスを聴くことができる番組を作成予定です。

 さらに、視覚障がい者には点字や立体イラストを使った触る天体資料を用意。手で触れて星座の形などがわかり、見えなくても美しい星空を感じることができるようにしたプラネタリウムは、「堺星空館」を含めて全国でも数カ所しかありません。

 今年は天文ゴールデンイヤーといわれています。5月21日、近畿地方南部をはじめとする広範囲の地域で、金環日食が見られ、太陽−金星−地球がほぼ一直線状となり,金星が黒い点となって太陽の前を横切っていくように見える金星の日面通過は、6月6日。そしてほぼ全国で8月14日、23年ぶりに目にすることができるのは、月が金星の前を横切って金星を隠してしまう金星食です。

 この機会に、新しい「堺星空館」で星に親しみ、宇宙の神秘を体感してみられてはいかがでしょうか。

▼ソフィア・堺プラネタリウム「堺星空館」
堺市中区深井清水町1426 TEL.072-270-8110
席数/166席、車いす席6席
観覧料/高校生以上500円、4歳~中学生250円、3歳以下無料
休館日/4、5月は月曜日(祝日の場合は開館、翌日休)


感動と迫力に満ちた満天の星を再現
聴覚・視覚障がい者に便利な「アシストホーン」 電動式可搬型階段昇降機で車いすの方も安心

  


2012年 3月号

充実した定年後の生活のために

「南河内シニア文化塾」を主宰する常本知之さん(富田林市)

「今ようやくやっていけると思うようになりました」
と言う常本さん

 会社を定年退職されたみなさんは、有り余るほどの“自由な”時間をどう過ごされているのでしょうか。自分自身の定年後の生活を充実させるために、ふんだんにある時間を持て余している同じ境遇の人たちに活動する機会を提供するために、立ち上がった人がいます。「南河内シニア文化塾」を主宰する常本知之さん(68)。

 定年後の趣味に歴史講座を受講していた常本さんが「年金生活を送っている人たちでも気軽に楽しめる講座を」と、同塾を設立したのは平成22年1月。「歴史・古典・文学・文芸などを楽しく学ぶシニア対象の講座」を中心に運営。座学だけでなく、史跡などをめぐる「歴史・文学ウオーク」、歌舞伎や文楽を観る「文芸観劇会」、里山などの自然に親しむ「自然観察会」、さらには年1~2回、その時々の話題をテーマにした公開講座や特別講座を開いています。

 伺って驚いたのは、スタートは知人と2人だったとはいえ、この2年間、これだけバラエティにあふれた塾の運営のほとんどを常本さんが1人で行ってきたことです。何の後ろ盾もない個人の任意団体で、常本さん自身年金生活ですから潤沢な資金があるわけでもありません。講師を探すことから、会場の確保、受講生集めまで、1人で奮闘してきました。とくに講師は、他の講座に出向いて「これは」と思う人に直接交渉、手紙を書いてお願いするなど、見つけるのにひと苦労。講演料も受講料で賄わないといけませんから、二つ返事で引き受けてくれる人はなかなかいません。

 「土台づくりが大変でした。会場費、受講生を集めるためのチラシ代、配って回るための交通費もバカになりません。自分たちの生活費には影響しないようにしましたが、妻の機嫌が悪くなるのには参りました」と苦笑します。

 「でも、会社員時代に営業から総務、広報まで、いろんな業務を経験したことが生きました。とくに営業と経理で身につけたノウハウは大きかったですね」

 それでも開講から2年が経ち、会員数は210人、運営を手伝ってくれるスタッフが10人ほどできました。今では講師陣も大学教授や博物館の館長など著名な人たちが顔を並べ、内容の面白さと1講座当たりの受講料の安さもあって、毎回満席という人気ぶりです。

 「いろんな人たちに助けてもらいました。講座を引き受けてくれる先生方やボランティアで手伝ってくれるスタッフ、何度も足を運んでくれる受講生のみなさんには感謝しています」と話す常本さん。自身のモチベーションになっているのは何かと聞くと、考え込みながらこう答えてくれました。

 「今もまだ走り続けているばかりで…。喜びというのではなく、生きているという実感、ですかね」

▼南河内シニア文化塾2012年春季・公開講座
古事記の世界~神々と人々~を語る
「古事記編纂1300年記念講座」3月20日(火・祝)13:00~16:30
「古事記が語る三種の神器」(13:00~14:30)
     講師/田中千晶(甲南女子大学兼任講師)
「古事記と日下」(14:45~16:15)
     講師/平林章仁(龍谷大学教授)
会場/近つ飛鳥博物館地階ホール
参加費/800円(特別展入館料、資料代含む)
対象/シニア世代ならだれでも
定員/先着200人

人気の高い歴史コースの講座
(講師は笠井敏光さん)
現地へ出かけて講座を開くことも
(住吉大社で)
ウオーキングで平城宮跡へ

  

2012年 2月号

精密な総合芸術は2人の共同作業

ミニチュアドールハウスを作る吉川さんご夫妻(堺市南区)

2人の間にあるのは、どちらも3年がかりで完成させたヨーロピアンハウス(右)と
昔の温泉旅館風の和風ドールハウス

 ミニチュアドールハウスをご存じですか。12分の1や24分の1のサイズに縮小された家などの建物。外観のみならず、内部の家具や調度品、小物類、ときにはそこで暮らす人たちまで、精密に忠実に縮尺し再現した様子は、まさに芸術です。

 集めて楽しむ人、作って楽しむ人、見て楽しむ人、ドールハウスの楽しみ方はさまざまですが、自分たちで作ることに喜びを感じているのが、吉川重光さん・憲子さんご夫妻。

 ご自宅を訪ね、部屋に陳列されている“作品”を拝見してビックリ。洋館、和風旅館、ショップ…、どれを見ても、細かいところまで本物そっくりに作られています。とくに見事なのは、平成12年3月から11月まで、8カ月かけて作り上げたという第1号のドールハウス。今は販売されているキットを購入し、送られてくる部品を組み立てていく形ですが、最初の作品だけは写真を参考に自ら設計図を描いて、一から作っていったものなのです。

 材料探しから始まり、木を切って木工用ボンドと瞬間接着剤で貼り合わせ、細かい部分は彫刻刀などを使って細工していきました。屋根や窓、ドアを設え、部屋の調度も金属製の小物以外はすべて手製。部屋においてある楽器が手作りなら、そばの譜面台にある楽譜まで手書き。タンスは引き出しを開けることもできるというから驚きます。

 飾りのキルトや窓のカーテン、ベッドカバーなど、布製のものを作るのは、憲子さんの担当。作品はみんな、夫婦2人の合作です。

 「難しかったのは、窓の上部のアーチ。切り取った残りをそのまま扉にしないといけないので失敗できないんです。建物を組み上げるのに幅や高さをきちんと同じ寸法に調整するのも大変でした。少しのズレがあると、ドアや窓が開きませんから。写真を見て合っているかどうかを1つひとつ確認しながらの作業。初めてドールハウスに挑戦するのに、いきなり難しいものをモデルにしてしまいました」と、苦笑いする重光さん。けれど、達成感はいちばんあったと、憲子さんと2人、声を揃えます。

 きっかけは、憲子さんがホームセンターでドールハウスの本を見て、「可愛いし夢がある。作ってみたい」と思ったことから。土木関係の仕事をし、若いときから橋の模型などを自分で作っていた重光さんが、「それなら建物作りくらいは手伝う」と言って始めました。仕事柄、設計図を描くのはお手のもの。昔は大工になりたかったというほど手先が器用なこともあって、逆に重光さんのほうが夢中になりました。

 「夫婦で同じことに熱中できることでしょうか」

 2人にとってのドールハウス作りの魅力を尋ねると、こんな答えが返ってきました。

  
第1号の作品(外観)。出窓の傾斜が難しかったそうです
内部の様子。細かい作業が見て取れます
別の作品の1部屋。人形が入ると、よりイキイキとした空間に

   

2012年 1月号
地域の人たちに希望と安心を

NPO法人福祉ワーカーズ 泉ケ丘ホープ(堺市南区)

ランチの料理作りに集まったワーカーのみなさん
(左端が代表の中島さん)


 南区竹城台の瀟洒な一軒家。12月6日の昼前、ここで提供されるランチを味わいに近隣の人たちが2人、3人とやってきました。2カ月に1回、第1火曜日に開いてきた「ホープランチ」は、15回目を数えるこの日が最後。

 「ランチを楽しみにしていただいていた方には申し訳ありませんが…」と話す中島紀子さんは、「NPO法人福祉ワーカーズ 泉ケ丘ホープ」代表。「ほーぷ広場」と名付けた一軒家を拠点に、さまざまな福祉活動を展開しており、ホープランチに代わって来年からは新たな取り組みとしてデイサービス事業がスタートします。

 「誰もが住み慣れた場所で親しい人たちとずっと一緒に暮らしていける、そんな社会になればどんなに安心できることか。そんな社会を実現するための仕組みを、誰かに雇われるのではなく、自分たちで考え、話し合い、共同で働く『ワーカーズ』として作っていこうと、3級ホームヘルパー受講生4人が呼びかけて、私たちの活動は始まりました」

 当時、地域福祉活動を進めていた旧泉北生協(現エスコープ大阪)のサポートのもと、呼びかけに応じた15人のメンバーで、1998年5月、「福祉ワーカーズ・コレクティブ泉ケ丘ホープ」が発足。2004年12月にNPO法人となり、活動の賛同者から一軒家の提供を受けて、ホームヘルプだけでなく、幅広く交流や子育て支援の事業も展開する、現在の泉ケ丘ホープが誕生しました。

 展開している事業は大きく4つ。ホームヘルプ、すなわち訪問援助事業は赤ちゃんからお年寄りまで、地域の中で困っている人が気軽に助けを求められるシステムを作ろうと、発足当初から行っているものです。依頼内容は、産前産後や働く女性の家事援助、病児保育、高齢、病弱な人の介護・家事援助・通院・買い物の付き添いから話し相手になることまで、実にさまざま。援助を希望する人は入会金1,000円、年会費2,400円のほか、月~金曜日時間内(午前9時~午後5時)で1,500円、休日・時間外は1,875円の利用料金などが必要ですが、現在、約50人が利用登録。毎日、地域のどこかでホープのエプロンをつけたワーカーが仕事をしています。

 NPO法人格を得てから着手したのが、要介護認定の相談やヘルパーの派遣などを行う介護保険事業。訪問援助事業を行っているため、介護保険外のサービスにも対応できることが、利用者には大きな安心につながっています。

 活動拠点のほーぷ広場を使って行ってきたティータイム、パソコンサークルなどの交流事業と「ほーぷのちびっこ広場」と名付けた子育て支援事業は、来年から始まるデイサービス事業のスタートに伴い、形を変える予定。「今まで取り組んできたことを生かし、地域の方々と触れ合いながら、新しい交流事業、子育て支援事業、そして地域に開かれたデイサービスに取り組んでいきたいと思っています」と中島さん。

 3代目の代表である中島さんは、最初の呼びかけに応じて集まったメンバーの1人。「お年寄りの方から人生についてお話を伺ったり、いろいろ教えてもらえますから、自分の人生勉強にもなります。細かいことまで1つひとつみんなで話し合って決めますし、自分たちでやっているという意識が強いので、少々大変なことがあっても乗り越えられます」と笑って話してくれました。

 現在、ワーカーは43人。うちホームヘルパー2級の資格を持っている人は33人。中島さんは「資格がなくてもできる仕事はたくさんあります。今のメンバーには子育て中の人もいますし、できる範囲で働きやすいように配慮しています」。

 泉ケ丘ホープでは、ヘルパー、交流事業のスタッフ、来年からスタートするデイサービスを手伝ってくれる人を募集しています。関心のある方は、下記へご連絡を。

▼NPO法人福祉ワーカーズ 泉ケ丘ホープ
 〒590-0105 堺市南区竹城台3-10-3
 ホームページ http://i-hope.info/

  
ランチは1人500円。
最後のホープランチに名残惜しそうです

泉ケ丘地域を中心に、
30~70代の人たちがワーカーとして活動しています